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すみだ水族館。

展示が凝っていて、魅せる水族館とはこういうものかと感じた。一方で蜷川実花が演出したというくらげの展示は、色味が多く、くらげの白さからくる神秘性がボケているような気がしたからあまり好きではなかった。蜷川実花の鮮やかすぎる色彩感覚がくらげの持つ繊細さと合っていないような気がしてしまって仕方がなかった。携帯のファインダー越しに見た際にそれを強く感じたのだけれど携帯を使うことでしか自分を信じられなくなっているようなことにも少し怖くなった。全く蜷川は関係がないけれど。

そんな中で自分の目を最も引いたのが金魚たちの展示。彼らが尾びれをはためかせながら泳いでいる様を上から、横から堪能した。特に上からの構図は原風景に焼き付いているからか懐かしさと神聖さを兼ね備えていて引き込まれる。それと真上からライトを当てていたもの。彼らの影が真下に出来るから宙に浮かんでいるように見えてそれもまた楽しい。

それともう一つ楽しんだのがオットセイや亀への餌やり。これはもう展示の仕方がどうのこうのではなく飼育員さんの生き物への声かけを聞いているだけで愛が伝わってきてただただその場が多幸感に包まれた。餌をなかなか見つけられずくるくるとその場で回る亀に対する呆れた眼差しと、口元へ運んでやる母性のような愛情。どれだけ装丁や加工を凝ったとしても最終的に人を惹きつけるのは、生き物の意思であり、交流なんだろうと感じた不思議な水族館体験であった。